ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.39 "花岡隆さんの暮らし""常滑から龍ヶ崎へ。杉村徹さん""関西人魂・林幸子さん♪""新生☆gallery ten のご紹介"

ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.39 "花岡隆さんの暮らし""常滑から龍ヶ崎へ。杉村徹さん""関西人魂・林幸子さん♪""新生☆gallery ten のご紹介"

花岡隆さんの暮らし 常滑から龍ヶ崎へ。杉村徹さん 関西人魂・林幸子さん♪ 新生☆gallery ten のご紹介(ギャラリーテン〜コラム vol.39) <2012年2月号>

      花岡隆さんの暮らし

修善寺の高台にある花岡さんのアトリエへの道のりは見慣れた風景。
いつ来ても、このロケーションはすばらしい。お庭もアトリエも窯場も風景の一部となり溶け込んでいます。お宅がまたよい。
シンプルで落ち着いていて心地よい空間。建築家・中村好文さんの設計事務所から独立された方の第一作目が花岡邸とのこと。
部屋に置かれている家具や調度品はどれも感性の高さがうかがえて、どの角度からみても大人の雰囲気が漂っています。
花岡さんは多趣味。自転車、ワイン、音楽、食、美術、・・・・。
ロードバイクでは日本各地の大会に参加。ワインには相当造詣が深い。クラシックやジャズのコンサートには都内に足しげく通う。美術にも詳しい。
毎年末、お送りくださる花岡さんお手製のベーコン。こだわりの豚肉と塩と桜チップで香り高いおいしさです。

暮らしのあらゆることに、つきつめて楽しまれるその姿こそが、花岡さんの作品に深みを与えているのかもしれません。
花岡さんの器とは長い付き合いですが、いつまでたっても飽きるどころか、器の味わいと品格が増してくるのを実感します。
私の娘は、今まで自宅で多くの作家さん方の展覧会をし身近に観てきました。
「一番好きな作家さんは誰?」と聞くと、迷わず「花岡さん」と答えます。若いのに渋好みです。
でもその気持ちはよくわかる。使っていて五感でおいしく感じることができるのです。子供は正直だ。

 

      常滑から龍ヶ崎へ。杉村徹さん

一昨年の秋、長く拠点にされていた常滑から茨城県龍ヶ崎へ引っ越してこられました。
最もお世話になり親しくさせていただいている作家さん方のうちのおひとりの杉村さんが、より千葉に近くにいらしたことはとてもうれしいことです。
この一年間で、10回以上はお会いできているかも。
日本全国のギャラリーで展覧会をされている杉村さんですが、数年前から首都圏にアトリエを移転したいと動かれていました。
龍ヶ崎に、広い作業場つきの住宅が見つかり、そちらが今後の拠点に。

杉村さんの展覧会は今回で4回めですが、そのたびに、出展していただいているテーブルにスリスリして「こんなテーブルほしいなぁ・・・」といつも思っていました。
自宅は作り付けのテーブルカウンターがあり、座卓の生活なので、その夢はかないませんでした。
が、しかし、今回、ギャラリーの移転に伴いカフェも併設することになった今、ついにその夢が実現したのです。
カフェスペースには、杉村さんの大小のテーブルに、たくさんのスツールが置かれています。う〜ん、シアワセ♪
しかも、今、この原稿は誰もいないカフェのテーブルを独り占めして書いています。う〜ん、ハカドル♪
おっと。これらの作品代の請求が恐ろしい。(この原稿を書いている時点では未払いなのです)
このモトをとるべく、私だけでなく、多くのみなさんにも気持ちよく過ごしていただいて、杉村テーブルがすり減るくらいスリスリしてください。

また、うれしいことに、奥さまの有子さんのお店“sonorite”が、毎月、テーマを決めて出張出店。
このお店に置かれるものたちは、有子さんのセレクトが素敵で、私の好みのものが勢ぞろいしています。今後は千葉でもお楽しみいただけますよ。

 

      関西人魂・林幸子さん♪

料理研究家・林幸子さんは、私がいつも毎週録画予約している「おかずのクッキング」という土井善晴さんの番組でよく拝見していました。
常にスマイルマークを実写版にしたような満面の笑みで、明るく元気な料理解説をされています。
林さんのことを知らない頃、ネットで“花岡隆”と検索してみたら、林さんのサイトにたどり着いたことがありました。
林さんはワインの世界にどっぷりとつかられ、そのご縁で花岡さんとお知り合いになられたとのこと。
そのうち花岡さんの器に魅せられたそうで、先日、青山の林さんのアトリエにお邪魔したら、食器棚には彼の器がどっさりありました。

林さんのお料理は、「えっ、こんな組み合わせ?」「こんな手順で作るのか!」という奇想天外なレシピでなされます。
レシピ本をたくさん出版されたり、雑誌やテレビでもご活躍の林さんですが、ご本人はとても気さくでなんでも気軽に話しかけられるオープンハートの人です。
テレビでみる林さんは標準語の明るいキャラですが、兵庫県ご出身で、私と話すときはコテコテの関西弁。食べ物の話がはずみます。
「おでんの具でちくわ麩は許せない」とか「お好み焼きはこうでないと・・・」とか「甘くないダシまき卵がおいしい」とか・・・・・。
やはり生まれ育った土地や環境が、その人の価値観をつくっていくことは言うまでもありませんが、食に関してはそれがとても顕著に表れると思います。
関西人特有のおもしろいものに速攻とびのり、“イラチ(短気)”で前のめりな姿勢は、情熱の効果と結果を導き出します。
林さんの場合、そこに高い経験値と知識が加味され、とびきりおいしいものが創造されるわけです。

“グーさん”という愛称で呼ばれておられますが、フランス語の“GOUT”(グー)は“TASTE”という意味。
グー林さんは、“味”に貪欲で、好奇心旺盛で、勉強家で、フットワークが軽快で、ポジティブ。
彼女の頭の中では、たくさんの食材がたくさんの手法の引き出しによって、順列組合せがパチパチと計算され、即座にチーン!と新レシピが完成する。
ワイン、お茶、蕎麦には特に精通しておられますが、それ以外のモノやコトにも深く興味をもたれ、料理が総合芸術であることを教えられます。
今回の食事会では、テレビでおなじみの底抜けに明るい林さんの実況を間近で観ながら、目からうろこが落ちるようなどんな料理が登場するのか見ものです!

 

      新生☆gallery ten のご紹介

7年間千葉市緑区の自宅で偶数月の1週間、企画展を展開してまいりましたが、このたび、隣町・大網白里町で新しく生まれ変わることになりました。
今後は、毎月1〜7日(1月を除く)に企画展、第二週目から月末までの週4日(火・水・金・土)に常設展と壁面の企画展を。
料理研究家やお店のシェフによる作家の器での食事会、あらゆるワークショップ、杉村有子さんのセレクトショップ“sonorite”の2days-shop・・・。
ギャラリーを通じて、楽しいことをみなさんにたくさん提供していかれるよう(実は私自身が楽しんでいるのですが・・・v)、常に好奇心のアンテナを張り巡らせています。

そして、新たにカフェスペースを設けました。
これは、お客様にゆっくり時間を過ごしていただきたいという想いと、作品の魅力を“使ってナンボ”の器の醍醐味を味わっていただきます。
コーヒーは、長生村のカフェ“kusa”から、その店主で私の友人でもある姫野博さんのストイックなまでにこだわった豆選びと焙煎によるサイコーにおいしい豆を使用。
カフェスタッフの山本晴子、久世礼、吉田洋子、板倉百子は、彼から何度も熱い講習を受け、トレーニングを積み、愛をこめてネルドリップにて美しいコーヒーを抽出。
紅茶は、泡茶(ぱおちゃ)師の三田和直さんから台湾の“蜜香紅茶”。無農薬栽培により茶葉につくウンカ(虫)の分泌液の効果から甘い芳香のおいしい紅茶。
スイーツは、九十九里のハーブガーデンからパイやタルト。これは以前から私の大好物で、季節のフルーツがふんだんにのっていてほっぺが落ちるほどおいしいのです。
今後おいしいものをたくさん見つけたり開発したりして「おいしいものを食べている時が幸せ♪」という場をつくっていくべく精進!(さて「おいしい」を何回言ったでしょう?)

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