ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.106 "ウエダキヨアキさんのgeometric・・・" "ノモトヒロシさんのgeometric・・・"

ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.106 "ウエダキヨアキさんのgeometric・・・" "ノモトヒロシさんのgeometric・・・"

<2017年10月号>



ウエダキヨアキさんのgeometric・・・



姫路生まれ姫路育ちのウエダキヨアキさん。
テンでは3度めのウエダさんの展覧会です。
人気作家のウエダさん、ずいぶん長く待機してようやく会期を迎えるに至りました。

ウエダさんの陶作品の表面にはところせましと抽象のモチーフが描きこまれています。
ただのっぺりとではなく、幾重にもレイヤーされている線や面や色やマティエール。
それらが一体となり、”つながり”、”浄化”、”再生”というイメージがふくらんでいきます。
年々、手が込んでくるとおっしゃるウエダさん。
ウエダワールドの絵の世界が、食器として使えるのは楽しさに満ちています。
ファンが多いのも納得。テンのカフェでも大好評です。
お気に入りのアイテムを探しにいらしてくださいね。

今回、ウエダさんの作品に誰のどんな作品がおもしろいコンビネーションになるかを考え、ノモトヒロシさんだ!と企画しました。
このコラムを書き始めて、偶然のあることに気が付きました。
姫路出身のウエダさん、群馬出身のノモトさん、なんと同じ名古屋芸術大学の同じ学部の同窓生でした。
お二人とも、油彩画を専攻し、ウエダさんは陶芸の道へ、ノモトさんは金工の道へ、その延長線上でまたここで繋がったのです。
お二人の作品の魅力と魅力が溶け合ったりぶつかったりして、刺激的な展覧会になると確信しています。
ぜひご高覧くださいませ。














ノモトヒロシさんのgeometric・・・



軽井沢のアトリエで制作されているノモトヒロシさん。
昔遊んだおもちゃの素材であるブリキ、セルロイド、プラスティックなど、キラっとする質感が子供の頃からずっと好きだそう。
中学生の時、なんとなく美術の道を歩みたいと思い始め、美大の油画科に進学。
在学中、絵を描くことより、いろいろ手を動かし立体を作ることの方に興味が湧き、卒業と同時にアクセサリーの会社でバイトを始めました。
その後、故郷の群馬に帰り、美術の専門学校の教師を10年勤めましたが、
たまたま車で通りかかったところにあった彫金教室からの紹介でハンドメイドのジュエリー作家の下、修行をすることに。
こうして今のノモトさんの作家活動がスタートしたのです。

ノモトさんの作品は、唯一無二のどこにもないアーティスティックなアクセサリーだ。
ひとつひとつ全て違うもので、いつも自分をニュートラルな状態に保ち、
ふと何かからインスピレーションを受けたり、何かをビビっと感じたら、実験をしているような心持ちで手を動かし作っていきます。
ノモトさんのそれらは、具象的な〇〇というものではなく、カタチにならないカタチ、抽象的、幾何学的な姿をしています。
また、銅や銀やアルミなどがピカピカの状態ではなく、腐食・劣化等の変化によって、よりそのものの素材の魅力や深みを引き出す。
そこに、異素材のチープなプラスティックなどを組み合わせることで、絶妙なおもしろさが生まれます。

ノモトさんのアクセサリーは、特にアーティストや海外の展覧会で人気を博します。
こんなに小さいモノを一つ付けるだけで、その人全体に大きな美をいきわたらせます。
この魔力をためしてみませんか。






コラム vol.106 "ウエダキヨアキさんのgeometric・・・" "ノモトヒロシさんのgeometric・・・"